【フリーランスへの道④】アジアン家具「グレイスノート」の誕生

バリ島を楽しむ

こんにちは。後藤@アマテラスです^^

この記事は
【フリーランスへの道①】時代の波に乗る「デジタル革命」の続編④です。
上の記事から先に読んで頂くと、より分かりやすいと思います^^

家具工場を探す旅

バリ島で工場視察

アジアン雑貨の「価格破壊問題」から数か月後、私は自ら制作した「家具の図面」を持って、バリ島に来ました。今回の目的は「雑貨の買付」ではなく、家具を製作する工場を探すためです。既にバリ島に有力なエージェントとお付き合いがあったので、20社を超える「家具の工場」を紹介して頂きました。

1日5件以上の工場を巡り、制作した図面を見せてミーティングをしました。次の日も、その次の日も。。。そこで、新たな問題が発覚しました。。。

「バリ島には、国際基準の図面を理解できる職人がいない(汗)」

どの家具屋さんに行っても、家具工場に行っても、図面を見せてデザインを説明し、施工図を見せて施工方法を説明しても「理解できない」って顔をします(笑)。技術的な理解度が低いというよりも、図面を「読めない」事がわかりました。

図面を理解できない職人たち

「通常はどんな図面で製作するの?」
「他の会社は、どんな図面持ってきてるの?」

他社の図面を見せてもらいました。驚愕です!図面ではなく、
小学生が描いた「スケッチ」のようです(笑)

「こちらは、東京で有名な〇〇〇〇さんの図面だよ」
「こちらは、横浜で有名な〇〇〇〇さんの図面だよ」
「みんな、こんなスケッチ持ってくるよ」

見せてもらったスケッチのは、「詳細ディテールなし、詳細寸法表示なし、仕上げの指示なし、色の指示なし。」「このスケッチで、家具を製作したら、ディテールや寸法が、色、塗装剤、表面の仕上げ、すべてが毎回毎回変わっちゃうのでは???」と質問すると、

「大丈夫、大きさは変わっても5cmくらいだよ」
「色(塗装剤)とか仕上げは、職人によって違うけど、クレームなんてないよ」

クリアランス5cm!!! ミリ単位の精度を求める、私の仕事は不可能に近いと悟りました。当初、私が考えていたビジネスモデル「図面を描いて、家具を量産して、写真撮影して、ネットで売りまくる!」ネット販売は、本物の家具を見ることができないので「写真」「色サンプル」「寸法表示」などが、最も大切となります。

毎回毎回、「同じ家具を、同じ寸法で、同じ仕様で」造れないと、このビジネスモデルは成り立ちません。バリ島では、何軒廻っても、私の私が探しているような「家具の工場」に出会う事は出来ませんでした。日本では「バリ家具」と言えば、一定の顧客(ファン層)を確立している分野だと思いましたが、実際に現状は酷いものでした。

 

だからこそ、家具には「勝機」がある!

工場を探してジャワ島へ移動

そう確信した私は、バリ島を諦めて、ジャワ島に飛びました。ジャワ島中部に「家具と彫刻の町」と呼ばれる地方があります。その町の名前は「ジュパラ JEPARA」。バリ島から飛行機で時間半、空港を降りてから、車で4時間、「遠いなぁー(泣)」

予めコンタクトをとっておいた工場へと向かいます。ジュパラ中心部です。近代的な工場とは言えませんが、この町の中では大きな工場でした。家具の設計はジャカルタの本社で行い、製作はジュパラのこちらの工場で行っているそうです。家具製作の作業は分業化され、バリ島では見たこともないような「効率的」な工程を実現しておりました。

木製家具の「命」は「木の乾燥」です。当時、バリ島全体で1度しか見たことのない「エレクトリックドライポット」を2基も保有していました。当時の価格で、1台1,000万円以上の高額投資です。さらに改良を加え、ヒーターの温度調整はもとより、乾燥機内の湿度の調整も行えるようにしてありました。

この高性能なドライポットが、乾燥時の木部の歪みを回避し、割れ・反りを防ぎます。ただヒーターをかけるだけではダメです。室内の気温と湿度の関係を理解し、温度を上げるタイミングと、湿度を逃がすタイミング、それに要する時間!これが最も大切となります。※詳細は誰にも教えないけど・・・^^

「これは、素晴らしい^^」
「ここまで理解している工場が、こんな田舎にあるとは・・・^^」そして、自社開発した家具の図面・施工図など見せてもらいました。「デザインは・・・お世辞にも美しいとはいえんな(笑)」

「施工図は完璧だ!木の本質をよく理解している!」

「木の乾燥」方法など、最も重要な部分に、惜しみなく投資し、ドライポットを2基も保有している事、また、木の本質を理解した「施工図」を描ける設計士がいる事、また、それらの材料を使い、図面通りに寸分狂いのない家具を仕上げる技術を持った職人達、、、

「よし!この工場に決めよう!」

※結果的に、この時から20年以上、この工場との取引が始まる事となります。「バリ島の家具は、日本に持ってくると【割れる・壊れる】」事が常識化している時代に、この工場で製作された家具は、2020年現在まで、約30,000台の家具を、驚異の「ノークレーム」で販売する事となります。

 

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工場と契約、製作開始する

双方の弁護士立会いの下、様々な契約を行いました。
契約締結^^製作開始しまーす

家具会社の社長:「ジャカルタの本社も見ていきますか?」
アマテラス  :「はい。お願いします^^」

一行はジャカルタへ飛びました。ジャカルタ本社で打合せ最中、、、

アマテラス  :「今後の家具の発注は、ジャカルタにすればよいですか?」
家具会社の社長:「いや、バリ島でいいですよ。」

「ん?」

家具会社の社長:「バリ島のウブドゥに支店があるので、そちらのマネージャーを紹介します。」

「バリ島に、支店あるんかーーーーーい!(笑)」

ジャカルタ本社、ジュパラ工場、バリ島支店、という事でした^^
毎回毎回、ジャカルタに行かずに済んだ^^ラッキー^^

 

【グレイスノート GRACENOTE】の誕生

2000年 アジアン家具ブランド【グレイスノート GRACENOTE】の誕生です。

そして、私は決意します。
「アジアン家具業界」に【革命】起こしてやる

アジアン家具業界の問題点

アジアン雑貨ブームに乗り、多くの販売店が「家具の製作販売」を掲げながら、まともな家具を作る事が出来ず、そのような会社が多く存在する事が、アジアン家具業界のイメージを落としてきました。

バリ島から家具を輸入している販売店は、家具が日本到着後に、お店のスタッフが、すべての家具のメンテナンスを行ってから、お客様に販売するというシステムを取っています。何故でしょうか?バリ島から仕入れる時点で「完成品」を造る能力があれば、日本に到着してから、メンテナンスなど、全く不要となります。

さらに言えば「メンテをしているお店のスタッフ」は「家具職人」なんでしょうか?私の知る限り「完全な素人」しか見たことがありません。最終的に、素人が仕上げをした商品を、お客様に「定価」で販売するなんて、「いかがなもんでしょう?^^;」

その様な「粗悪品」を仕入れて販売する会社が多く存在するため、アジアン家具は信用を失い、蔑まれてきました。「粗悪品を安く仕入れる会社」が、日本人に「粗悪品」のイメージを植え付け続けてきました。私はこの「間違って植え付けられたイメージ」を変えようと、この家具ブランドを立ち上げました。

※重要です。よく考えてみてください!
① 安く買い叩くだけの「バイヤー」に、工場が全面協力するとは考えられません。
② 木の性質や、乾燥方法、組み立て方法を理解していない「バイヤー」に、クオリティの高い家具など作れるわけありません。
③ 図面も描けない会社にまともな家具が造れるはずもありません。

フリーランスになってからすでに7年目が経過していました。
それから約20年間「アジアン家具」販売を続けることとなります。

あれ?また、少し文章が長くなってきた^^;続きは次回お話ししまーす。

※続編書きました^^こちらへどうぞ。
【フリーランスへの道⑤】「少数精鋭主義」は全ての人を幸せにする

 

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バリ島在住の元コンサルタントCEOの管理人が「移住・ビザ」についてのノウハウや、現地の「生活・情報」など幅広くお届けするブログです。2020年後半から1年間ほど「病に伏して」おりました^^4度の手術&リハビリを経て「完全復活!」とはいきませんが、大好きなバリ島で、ぼちぼち生きていきます(笑)
※リタイヤ生活に突入しまいた^^業務相談メールは中止させて頂いております。ご理解の程、宜しくお願いします。